知る人ぞ知る、富山県の秘湯を紹介

全国各地に点在している温泉、その中でも実は秘湯中の秘湯が勢揃いしている県として、マニアの間でも有名なのが富山県だ。ここにはかの戦国武将が愛したと言われる温泉もあれば、徒歩や自動車では行くことの出来ない秘湯などもある。そんな富山県の温泉事情を紹介する、ここはそんなサイトとなっている。

温泉

変な意味でも有名

温泉地は温泉が有名でなければならない、これは大原則です。間違っても変な意味合いで人々にその名を知られないようにと治安維持には県はもちろん自治体も躍起になって行っているものですが、発生する場合もあるのでそれは非常に残念だ。ですがそうした問題は起こるべくして内包しているので、正直言ってしまえば色々な意味で自業自得だったりするわけだ。宇奈月温泉もそうした意味で問題が起きて、裁判にまで持ち込むほどの例が確認されている。しかもこれは法律学的な見解としても、非常に重要な事件として数えられているというから、こんなところで温泉の名を聞きたくはないがそうもいかないようだ。

何が起きたのかというと、いわゆる土地そのものが本来持っていなければならない持ち主が買収をしないままだったという点だ。法学を志す人にとって最初期に触れる問題でもあり、そして現代では極めて例の少ない希少事件として学問的に扱われているという。良いか悪いかで判断するなら、決して褒められたものではないことだけは間違いないはずだ。

この件については宇奈月温泉としてもあまり触れられたくはない部分でもあるでしょう。ですがせっかくなのでこの事件についても少し見てみることにしよう。

焦点は引湯管

この事件を物凄く分かりやすい言い方でまとめるなら、源泉を温泉街へと引っ張るための管が所有する土地の中へと侵入していることを承知していたかどうか、と言った点だ。宇奈月温泉は引湯管という管を用いて源泉から温泉街へとお湯を通していますが、この時用いられたパイプのことを『引湯管』と呼んでいる。これを開発した当時の企業が約30万円の値段で建設したが、この時から既に企業が買収していた土地ではない、他人が所有する土地に侵入してしまっていたのです。経過点だったこともありさほど問題ではないとして気にすること無く、その後開発事業を別の会社Yに引き継ぎ、そして問題の侵入部分を含めた土地をXが購入しました。

その後、詳しい経緯については明らかにされてはいないものの、自身が所有している土地に引湯管が不法占拠しているとしてXはYへと多額の請求を求めることになる。引湯管を撤去することも視野に入れろと言われる一方で、出来なければ当時からすれば法外な値段で買い取れとばかりに脅迫してきたのだ。ここからはもう言うこともないでしょうが、戦いの場は裁判へと持ち越されていったのです。そしてこの時、重要なのは土地部分に引湯管が侵入しているかどうかを『X自身が把握していたかどうか』が、ポイントとなる。

Xの真意

裁判での焦点はXが一体どうして、引湯管が経由している土地を購入しているかが問題であり、同時にこれが裁判の行方を左右する最大の材料でもあった。当時の裁判所でも、Xの行為には悪意が感じられるとして一審二審共に請求を棄却している。そして上告をしたのですが、この時初めて公の場で明確に使用された言葉があることをご存知でしょうか。今ではすっかり定着している『権利の濫用』が、Xの土地購入から訴訟までの動きに見られるため、全面的にYの勝利となった。

権利の濫用というのも気になるところですが、一先ずその話は置いておくとしてまだ気になる問題がある。それはどうしてXがこの土地を購入した理由についてだが、実際購入してもX自身には何の利益もない買い物であることも白日の下に曝されてしまったのです。そもそも引湯管の存在している土地は急傾斜地であり、物件を建てるには非常に不向きな立地条件だったのです。だからこそまだ開発に携わっていた前任の企業はパイプラインをここにセッティングしたと考えれば妥当な判断といえる。

こうした点から、Xがこの土地を購入したのには最終的に事業を引き継いだYに高額な値段で買い取らせようとする意思が明確に感じられた。事実、土地はXが購入した時は1坪26銭という安価な値段だったが、Y社には7円という何百倍にも押し売ろうとしていたのです。また引湯管が土地を経由している点は事実ですが、実際のところ狭小の面積面しか通過していないこともあって、Xの企みは塵と化したのだった。

本当に嫌な黒歴史

法律面で言うなら例として、非常に参考になるケースと言えるでしょう。こうした事態は現代では正直日常茶飯事レベルで発生しているので、あながち他人事でもないでしょう。業界で考えれば貴重な案件と捉えるでしょうが、宇奈月温泉側にすればあまり観光客に知られたくはない歴史と言えるでしょう。悪どいことを考える人は何時の時代にもいるのはよく理解しているつもりですが、どう考えても不利な状況でもスキャンダルになれば勝ち目はあると考えたX、その行動は実ることはなかったが、法学的には貢献しているから皮肉な話だ。